
内容説明
昭和21年から28年の日本復帰まで
北緯30度線以南の奄美群島は「アメリカ」であった。
向学心に燃え、祖国分離の壁を乗り越えた青春の証言。
死と隣り合わせの危険を顧みず、なぜ若者達は旅立ったのか?
いま語り継ぐ、真実の体験。
<主な内容>
・闘ってこそ青春――軍政に追われて
・密航で東大復学
・現金輸送密航便
・学徒出陣から密航上京まで
・北緯30度線の花嫁 etc
波乱の時代を生き抜いた時代の証言。
体験者21人による手記を集成。
五、六トンからせいぜい二、三〇トン焼玉エンジンのポンポン船に身を託し、まかり間違えば生命の危険さえある黒潮逆巻く七島灘(しちとうなだ)を突っ切って、軍政下の閉塞状況から脱出し、進学していった止むに止まれぬ青春の心情――しまうた(奄美民謡)の歌詞を借りれば、「戻(もどぅ)しなりゅむぃ、黒潮乗(くるしゅぬ)り出し、戻(むどぅ)しなりゅむぃ」そのままであったであろう。その証言集が、この一冊である。(「まえがき」より)