
米国政府を動かした“ネオクラシカル・リアリズム”の最重要理論、奥山真司の訳にて、遂に日本語版登場!
| 著者 | クリストファー・レイン 著 奥山 真司 訳 |
|---|---|
| ジャンル | 人文・社会 > 政治 人文・社会 > 政治 > 国際政治・地政学 |
| シリーズ | 「地政学」奥山真司の本 |
| 出版年月日 | 2011/08/25 |
| ISBN | 9784772704922 |
| 判型・ページ数 | 4-6・464ページ |
| 定価 | 本体3,800円+税 |
| 在庫 | 在庫あり |
目次
イントロダクション
・アメリカの大戦略とは何か?
・覇権は本当に賢明な大戦略か?
・なぜアメリカは間違った戦略を追求しているのか?
・ネオクラシカル・リアリズムによる説明の必要性
第一章 理論、歴史、そしてアメリカの大戦略
・オフェンシヴvs.ディフェンシヴ・リアリズム 覇権か勢力均衡か?
・ディフェンシヴ/オフェンシヴ・リアリズムと大戦略の理論
・アメリカはオフショア・バランサーか?
・地域外覇権理論によるアメリカの大戦略の説明
・地域外覇権理論とオフェンシヴ・リアリズムとの違い
第二章 第二次大戦とアメリカ世界覇権の基礎
・アメリカのグローバル覇権の起源は大戦間期にあり
・第二次大戦後のアメリカの圧倒的なパワー
・1940年代におけるアメリカの一極狙いの大戦略
第三章 アメリカの大戦略とソ連 1945~1953年
・誰(もしくは何)が冷戦の原因となったのか?
・冷戦は回避できた?
・東欧の門戸開放の維持
第四章 西ヨーロッパにおける門戸開放とアメリカの覇権
・門戸開放の大戦略的ロジック
・経済、イデオロギー、そして安全保障の相互作用
・アメリカの「地域安定装置」としての役割
第五章 ヨーロッパの封じ込め アメリカの覇権とヨーロッパの反応
・覇権国が抱えるジレンマ
・アメリカの覇権へのド・ゴールからの挑戦
・冷戦後──アメリカの大戦略のスムーズな継続
第六章 リベラルのイデオロギーとアメリカの大戦略
・アメリカの例外主義のリベラル的基盤
・政治面での門戸開放とアメリカの過剰拡大
・経済面での門戸開放とアメリカの過剰拡大
第七章 アメリカ一極時代の終焉
・一極楽観主義派と一極不可知論派
・アメリカの覇権についての例外主義の幻想
・一極世界でのバランシングの対処
・アメリカの覇権はどのように終わるのか
第八章 オフショア・バランシングという戦略
・覇権vs.オフショア・バランシング
・アメリカの「撤退後」を検証する
・オフショア・バランシングの実行
結論
・門戸開放とアメリカの地域外覇権の追求
・推進されるべき政策
訳者解説・あとがき 奥山真司
内容説明
「ネオクラシカル・リアリズム」の重要文献として知られるクリストファー・レインの
“The Peace of Illusions: American Grand Strategy from 1940 to the Present”(2006)
を、地政学者奥山真司が翻訳。
原著者が新たに書き下ろした「日本語版へのまえがき」と訳者奥山真司による「解説」も収載。
台湾を中国に任せ、日本を自立・核武装させる 原著者クリストファー・レインによる「日本語版へのまえがき」より 日本のデフォルト的な選択肢というのは、どうやら「アメリカが守ってくれるからわれわれは心配する必要はない」というものだ。そしてたしかに次の5年間くらいは、おそらくこの想定も合理的なものであり続けるだろう。ところが時が2020年に近づき、アメリカが財政危機によって戦略的に縮小することを迫られていることを考えれば、アメリカが東アジアのコミットメントから大きく撤退せざるをえなくなることは目に見えているのだ。それに加えて、アメリカの「拡大抑止」(extended deterrence)という戦略の抱えるリスクがさらに明らかになるに従って、アメリカは日本から「核の傘」を撤回することになるはずだ。
訳者奥山真司による、原著注釈の日本語訳 →● ※現在(2011.11.17)、訳者の都合により一部の公開にとどまっております。ご迷惑をおかけしております。
アメリカの大戦略「オフショア・バランシング」とは?
本書が発している日本に対するメッセージは、かなり過酷なものである。2030年代が近づくにつれて、日本は「アメリカが中国から守ってくれる」という想定の上に大戦略を立てることはできなくなる。日本は「アメリカが去った後の東アジア」という状況に対応できるよう準備を進めなければならないし、このためには自分たちの力で立ち上がり、国防の責任を背負うことが必要になってくる。好むと好まざるにかかわらず、中国の台頭とアメリカの衰退というのは、日本(やそれ以外の東アジア・東南アジアの国々)にとっては大きな地政学的変化が到来しつつあることを意味する。この点について「幻想」がないことだけははっきりしているのだ。
なるべく早く、全部の公開を目指しております。今しばらくお待ちいただけますよう、お願い申し上げます。
■著者:クリストファー・レイン Christopher Layne
テキサスA&M大学ロバート・ゲーツ特任教授。専門は国際関係論とアメリカの対外政策。初の単著となる本書では「地域外覇権理論」という国際関係論のリアリズム(現実主義)の理論を提唱。2003年のアメリカのイラク侵攻の際には自身の理論から反対を表明し、ネオコンたちと対立。軍事面での過剰拡大と経済危機により衰退を始めたアメリカは「オフショア・バランシング」という新たな大戦略を採用して国力の温存に努め、東アジアでは台湾を中国に任せると同時に、在日米軍を撤退させ、日本を自立・核武装させよと本書で提案している。2011年2月にゲイツ国防相長官(当時)が「次のアメリカの大戦略はオフショア・バランシングである」と宣言したことにより、レインの理論は米国政府に影響を与えていることが証明された。議論を巻き起こした数々の有名論文の他、著書としてはブラッドリー・セイヤーとの共著で『アメリカの帝国:論争』(2006年、未訳)がある。米国弁護士の資格も持つ。一九八一年にカリフォルニア州立大学バークレイ校にて博士号修了。指導教官は現代アメリカの国際関係論の巨人ケネス・ウォルツ。 http://bush.tamu.edu/faculty/clayne/
■翻訳&解説:奥山真司(オクヤマ マサシ)
カナダのブリティッシュ・コロンビア大学を卒業。英国レディング大学大学院で修士号(MA)と博士号(PhD)を取得。国際平和協会主任研究員。米国地政学研究家。戦略学博士。著書に『地政学―アメリカの世界戦略地図』(五月書房:2004年)『“悪の論理”で世界は動く!』(李白社:2010年)、訳書に『大国政治の悲劇』(J・ミアシャイマー著、五月書房:2007年)、『平和の地政学』(N・スパイクマン著、芙蓉書房:2008年)、『米国世界戦略の核心』(S・ウォルト著、五月書房、2008年)などがある。





